Informaiton

非常停止スイッチの配線完全ガイド|安全リレーやPLC連携・配線例まで徹底解説

2025/03/25

非常停止スイッチは産業機器や機械設備の安全対策として欠かせない装置ですが、適切な配線設計やシステム連携が行われていないと、いざという時に正しく機能しないことがあります。本記事では、非常停止スイッチの配線設計に関する基本的な知識から、NC・NO接点の使い分け、安全リレーやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)との連携方法、配線時の注意点、そして具体的な配線例とチェックリストまで、現場で役立つ情報をプロの目線で解説します。

非常停止スイッチの配線を正しく理解し、安全な設備運用を実現しましょう。


非常停止スイッチの基本と役割

非常停止スイッチとは、作業現場で事故や異常が発生した際、機械を即座に停止させ、安全を確保するためのスイッチです。しかし、その配線や接続方法が間違っていると、万が一の緊急時に正常に作動せず、重大事故を招くリスクがあります。そのため、配線設計や安全回路の構築は、非常停止スイッチの最も重要な要素の一つです。


NC接点・NO接点の使い分け

非常停止スイッチの配線を行う際、重要なのがNC接点(ノーマリークローズ)とNO接点(ノーマリーオープン)の適切な使い分けです。

NC接点(ノーマリークローズ)を使用する理由

非常停止スイッチでは、通常はNC接点(常時閉回路)を使用します。これは回路が普段から閉じており、押された時に回路が開くことで電流を遮断し、確実に機械を停止できる仕組みになっています。万が一、断線などのトラブルが起きた場合でも、回路が開くため安全が担保されます。

NO接点(ノーマリーオープン)の使い道

NO接点は、非常停止スイッチの状態をPLCや警報システムなどに伝えるための補助回路として活用されます。例えば、非常停止スイッチが押された際にランプや警報装置を動作させるなど、外部への信号伝達に利用できます。


安全リレー・PLCとの連携方法

非常停止スイッチは単独で設置されることもありますが、安全性を向上させるためには安全リレーやPLC(プログラマブルロジックコントローラ)との連携が重要です。

安全リレーとの連携方法

安全リレーは非常停止スイッチと連携し、機械を確実に安全停止させる役割を担います。非常停止スイッチが押されると、安全リレーが信号を検出し、即座に電源回路を遮断します。また、安全リレーは自己診断機能を持ち、配線異常や故障を早期に検知します。これにより、万が一スイッチが壊れていても安全な停止状態が確保されます。

PLCとの連携方法

PLCと非常停止スイッチを接続する場合は、スイッチの状態監視や設備全体の緊急停止制御をPLCで実現します。PLC側で非常停止スイッチのNC接点の状態を監視し、異常を感知した際には制御信号を各設備に送信して安全停止を行います。この場合、安全回路はPLCの入力ポートに接続されることが多く、PLCによる停止状態の監視が可能となります。


配線設計時の注意点(短絡防止、絶縁距離など)

非常停止スイッチの配線設計には、電気的な安全性を確保するための注意点があります。

短絡防止のポイント

配線を設計する際は、電線の配置や取り回しを工夫し、短絡(ショート)を防止しましょう。特に電磁ノイズや振動が多い環境では、ケーブルの保護管や配線ダクトを使用して物理的な干渉を防ぐことが有効です。

絶縁距離の確保

非常停止スイッチの配線では、絶縁距離(クリアランス・沿面距離)の確保が不可欠です。特に高電圧環境においては、絶縁距離が不十分だと絶縁破壊や感電事故を引き起こす恐れがあります。規格(IEC60204-1など)に基づいた最小絶縁距離を確保しましょう。


実際の配線例と配線チェックリスト

配線例(一般的な構成例)

  • 非常停止スイッチの主接点(NC接点)を機械の制御回路と直列に接続。

  • 補助接点(NO接点)をPLC入力や安全リレーに接続し、警報装置や状態表示ランプの制御回路に組み込む。

  • 配線は短絡防止のため絶縁処理を徹底し、適切な配線ダクトや保護管を用いる。

配線チェックリスト

以下のチェックリストで、配線作業後の安全確認を徹底しましょう。

  • 非常停止スイッチの接点(NC・NO)を正しく選定したか?

  • 接点が正しく配線されているか(NC接点が主回路に使用されていること)

  • 絶縁距離が規格に準拠しているか

  • ケーブルの短絡や断線リスクがないか

  • 安全リレーやPLCが正しく動作しているか

  • 試験運転で非常停止が正常に作動することを確認したか


まとめ

非常停止スイッチの配線設計は、安全な産業環境の基礎となります。NC接点やNO接点の適切な使用、安全リレーやPLCとの連携、短絡や絶縁のリスク回避など、あらゆる要素に配慮することが求められます。これらのポイントを押さえた適切な配線設計を行い、万一の事故を防ぎ、安全性を最大限に高めましょう。

企業情報

オルブライト・ジャパン
株式会社

  • 〒353-0004
    埼玉県志木市本町6-26-6-101
  • TEL.048-485-9592
  • FAX.048-485-9598

ED・SD・SU・Busbarシリーズ

  • DCコンタクタの輸入販売
  • 非常用電源遮断スイッチの輸入販売

パワーリレー・スイッチ・直流電磁接触器 コンタクタ・汎用リレー・車載リレー 高電圧リレーなどに関する製品のお問い合わせ、お気軽にご連絡ください。

イギリス本社
オルブライト・
インターナショナル
オフィシャルサイト

ページの先頭へ